8:00 滋賀県甲賀市水口町
起床。野宿と違い、布団はなんと寝心地のいいことか。すっかり寝入ってしまった。おかげで毎朝起きた時の方、腰、足の痛み、だるさがほとんど無い。おまけにコンビニで買ったパンを駐車場で食べる朝食が、ここでは畳の上で食べられる。最後まで家の方には本当に良くしてもらい、出掛けに昼食用のおにぎりとお茶、夕食用のパンを持たせてくれた。旅ならでは経験だろう。いい思い出になった。
12:30 滋賀県湖南市→栗東市
コンビニで昼食。飲み物だけ買って、いただいたおにぎりをいただく。今日も暑いが足は軽い。ここまでもう20km以上は歩いてきた。ここまでの道は昨夜、水口署で聞いた通り、歩道の無い危なっかしい道だった。周りは水田が広がり、道に並行して川(野州川)が流れる。広々とした気持ち言い眺めは変わらない。交通量が少なければもっといいのだが。
13:30 滋賀県草津市
初めて標識に「京都」の文字が現れる。残り21kmだ。このまま行けば日が沈む前には着きそうだ。
14:20 滋賀県大津市
京都まであと15km。ゴールは近い。着いたらコンビニに行ってどのアイスを食べてどの飲み物を飲もうか、となんとも安上がりながらも今の私には非常に嬉しいことばかりを考える。この八日間。歩いたり走ったりした後にコンビニに入るあの瞬間が、私を支えていたものの一つだった。
14:55 滋賀県大津市
あと11km。もうたまらず走り出す。最後にバテやしないかと思ったが足はまだまだ大丈夫だ。国道1号に沿ってずっと続く距離表示は485を超えている。そしてみるみるうちに490を超えた。距離がおもしろいように縮まっていく。
15:40 滋賀県大津市→京都府京都市山科区
逢坂。大津を過ぎて立ちはだかる最後の山越えだ。もっとも箱根や鈴鹿、小夜の中山ほどではない。もうここは一気に走って登って駆け下りた。ゴールが近いと力が出るもんかな。ここを越えて京都府京都市に入った。
16:00 京都府京都市山科区
一度足を止めてコンビニで休憩。後は東山を少し上ってトンネルを抜ければそこはいわゆる京都。残りとうとう3kmの所まで来た。
16:30 京都府京都市
いよいよ最後の出発。歩き出してすぐに坂になるが長くは続かずすぐにトンネルに。200mほどの短いトンネルを抜ける。太陽の光に一瞬面食らった後、目を凝らすとそこには西日に照らし出された京都の町並みが眼前にさーっと広がっていた。さすがに最初に目に飛び込んできた瞬間はなかなかに感動した。しばらくぼけーっとその全貌を何するとも無く眺めていた。目的地に着いたこともあるが、京都の町並みが一様に見渡せるこの場所の眺めはかなり良い。
※ここの眺めを写真に取ろうと試みたが日も傾き、完全に逆光でまともに映せなかったのが残念。
17:00 京都府京都市
数分間、半ば放心状態で景観を堪能した後、再度歩を進め、市街へと下っていく。とたん整備された道と町並みに出くわす。東大路だ。交番に寄って銭湯と八つ橋の売っている店の場所を聞く。銭湯は京都タワーの地下を、八つ橋は駅ビルにでも行けば売っていると教えてもらった。
17:30 京都府京都市
ほどなくして鴨川沿いの五条通りへと出る。そこで長い間歩いてきた国道1号線に別れを告げ、川沿いの遊歩道を南下。もうこの辺りまで来ると落ち着いたものでぶらぶら散歩気分で歩いている。途中、鴨川に入って足を冷やしたりした。
五条大橋で。後方、かすかに京都タワーが見えます。
17:40 京都府京都市
最後のコンビニ休憩。先に貧困な選択をあれこれ頭の中で巡らせていたが、最後に口に入れたのは水だった(六甲のおいしい水)。こういう時は水が一番おいしいと思った。
18:00 京都府京都市
京都駅前。京都タワーに入り風呂へ直行。ゆったり浸かっていた。
19:00 京都府京都市
京都駅で八つ橋を買う。それにしても新装なった京都駅の概観は、ここはまるで一流ホテルか劇場かと錯覚してしまうような。町の景観とは不釣合いと言えば確かにそうだが……。が、大きい割には改札からホームまではとても近く、駅の機能自体は集中していて使いやすい。
散々友人に電話を掛けまくった後、新幹線にするかどうか迷ったが、結局在来線を使うことにし、電車に乗り込む。
京都駅前
22:50 京都府京都市→岐阜県大垣市
大垣で夜行の快速に乗り換える。東京−大垣間は上下線ともに特急券なしで乗れる夜行の快速がある。貧乏旅行にはうってつけだった。ともかくしばらくはこれ一本で行ける。
大垣夜行にて
4:00 岐阜県大垣市→神奈川県川崎市
瞬く間にJR川崎駅。途中寝ずにずっと窓を流れる景色を見ていたが、途中何度も「ここ数日前に通ったところじゃー。」という道を何度も見た。浜松のバーデンバーデン然り。――電車はむかつくほど速かった。
5:00 東京都府中市
帰寮。今日はこの後10時過ぎに部の集合があるため、仮眠だけになるがともかく寝なければ。
9:30 東京都府中市
起床。着替えて土産の八つ橋をもって競技場に行く。すっかりメラニン野郎と化した私を待ち受けていたものは1000mのインターバルだった。