大学生になったら

 先日、地元の陸上つながりの大学1年生たちと食事に行く機会がありました。私とは15歳以上も歳が離れているにもかかわらず企画してくれたことは感謝ですね。食事中の会話も途切れることなく弾み、時間はあっという間に過ぎました。年頃ですからね。勉強、サークル、遊び、バイト、恋愛、いろんな話が出てきました。

 そして、それらのいずれもが、「大学生で何をやるか」ということに集約されていたように思います。集まったメンバーは高校まで陸上競技部。毎日グラウンドを走ったり跳んだり投げたりしていました。それが大学生になって一転、自分は何をしているのか、何をすべきなのか、を自問自答している様が伺えました。中には大学でも体育会の陸上競技部に所属して続けている人もいますが、大体が新たにサークルやバイト等を始める、あるいは始めようとしています。

 私は大学に入っても陸上競技しかしたくなかったので、部活に入っても入らなくても、走ることは続けるつもりで大学生になりました。ですが、陸上は高校までと決めていた方々にとっては、大学生になってからの選択が非常に難しいようです。高校まで真剣に打ち込んでいればいるほど、その度合いは高いようです。「毎日楽しいけど、それでいいのか…。」と。

 大学は高校までと違って何かを与えてくれるわけではないので、自分から動かなければならないことが多いと思います。話を聞いていると、今回集まった方たちは、それに気付いている方は多かったです。だから悩んでいるんだと思いますが。年齢、時間を考えると、大学生は色々なことが出来る可能性を秘めています。でも、若い頃はそれになかなか気付かないものです。大学生は大学生なりに色々悩んでいて、気付いても「何を選択するか」でまず迷います。年配の方から「私がみんなと同じくらい年齢だったら、なんでもできた気がするなあ。」なんて言葉をかけられた経験がある人は多いんじゃないでしょうか。

 自分が納得できるのであれば、別にバイト三昧だろうと構わないのでしょう。「何をすべきか」について考えている彼ら彼女らは、比較的まじめな学生なんだと思います。大学生はモラトリアム(社会へ出るための猶予期間)なんて言われます。その中でまずアイデンティティを確立する、それを考えている彼ら、彼女らは、私なんかより間違いなく将来立派な大人になるでしょう。一歩を踏み出すまでは、精神的になかなか辛いと思いますが、道が開けることを祈ります。


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