指導者を活かす場

 今日は高校の練習を見に厚木に行ってきました。練習の合間には部員やコーチの方と雑談交えて今年の神奈川の高校陸上界について、おしゃべりしてきました。私がにちふじの練習を見に行くようになって10年近くなりますが、その間、コーチ、顧問は何度か変わり、その都度、肌合いの違う指導者の方々の練習を見てきました。

 にちふじ陸上部は、今では推薦で選手を取らなくなっていますが、毎年インターハイを目指すチームコンセプトがあります。コーチを引き受けてくれる方々は、皆、少しでも上を目指す、競技志向の陸上競技を指導しています。練習は厳しいですが、それでも陸上未経験者でもインターハイ選手を育てたり、毎年、いろんな選手が出てきています。

 ですが、学校側の方針で授業数に左右されたり、上述のようにスポーツ推薦で選手を取らなくなったり、投擲が禁止になったり、色々と苦労は絶えません。また、コーチの方はにちふじの教員ではないので、はたしてどのくらいの期間、にちふじに来てくれるのか…。県立校だったら、最長10年で異動もあります。異動先で陸上部の顧問になれなければ、その才能は活かせません。

 優秀な指導者はたくさんいると思います。でも、それを完ぺきに活かす場があるかというと、その辺は今の学校スポーツでは難しいのかもしれません。日本で陸上を指導するには、教員になるくらいしか道がないのが問題です。そして、

・陸上部があるが、指導者がいない
・陸上部がないが、指導者はいる

といったケースもあるでしょう。こうした需要と供給のバランスが取れないと、指導者が足りない、またはその逆で指導者があぶれている、という状態に陥っているのではないかな、などとうっすら思います。

 私はそうした学校スポーツの問題は、学校スポーツの限界点だと思います。そしてそれを補填できるのが、クラブスポーツという形かな、と思います。完全に学校に取って代わって一手に引き受けることはまだ無理です。しかし、それぞれの学校が抱える人員不足、その逆の人員余剰については、解決できる可能性もあると思います。学校とクラブがうまく噛み合えば、ですけど。

 若くしてコーチを引き受け、教員採用試験などで教員を目指している(全員が全員ではない)、歴代のにちふじのコーチ陣を見てきて、そんなことを思ったのでした。


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