前半から突っ込むレース

Yahoo!のトップに珍しく駅伝関係の記事が。東洋大学の酒井監督は「(選手を)箱根で終わらせるのではなく、世界と戦えるようにしたい」と、学生たちに前半から突っ込む“攻めのレース”を徹底させている。とのこと。昔は前半突っ込んで後半失速、ブレーキを防ぐため、前半突っ込むのはどちらかというとタブーだったかもしれません。

私も駅伝の時は、選手のレベルや状況にもよりますが、大体「前半落ち着いて入って」という声をかけることが多いですが、なるほど世界を目指すレベルの人材育成となると、その辺も考えないといけませんね。箱根の予選会とかを見ると、最初の5kmで突っ込みすぎると15km以降失速してチームのタイムが稼げないというのもありますが、まあ、これは特殊な事情があるというか、チーム戦の箱根予選だからかな。

ただ、箱根を走る選手には、世界ではなく「箱根が競技人生の集大成」という選手もまた多くいるのも事実。箱根は毎年200人のランナーが走ります。トップ選手と、ぎりぎりのところで出場をつかみ取った選手では、意識に差があるのは仕方ないですし、後者の選手たちや、箱根を集大成と考える選手は、おそらくトップとの選手との差を身をもって痛感しているのではないでしょうか。

全員が全員に当てはまる事象はないと思いますが、世界を見据えて前半から突っ込むレースというものがどれだけ末端の学生まで行き渡るか、意識を変えるか、楽しみではあります。今の学生は、私が学生だった頃より5000m、10000mのタイムは速くなっていると思います。今後、そうした学生たちの中から、将来トラック、マラソンで世界と戦える選手が出てくることを楽しみにしています。


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