アダルトチルドレン

 アダルトチルドレンという言葉をご存知でしょうか。子供の頃に過ごした機能不全な家庭環境のトラウマ(心的外傷)が原因で傷ついたまま大人になり、生きづらさを抱えている人間のことを言います。子供の頃の経験をひきずり、今現在を生きる上で支障を持つ人間のことです。大人になりきれない大人という意味ではありません。

 人間が初めて属する社会、それは家庭です。そこで受ける影響というものは計り知れないほど大きいということを知らない人が多すぎる。「何年前のことを言っているの?」と逆に責められることがありますが、何年経とうが子供の頃に受けた影響は簡単には拭い去ることは出来ません。

 また、「親子なんだから」とか「家族なんだから」とか「たった一人のお父さんお母さんなんだから」とか言われることもありますが、人間は誰だって誰にとってもたった一人であって、家族だから珍しいということもないですし、まずもって「親子なんだからわかりあえる」という言葉は幻想でしかないという事を踏まえないことには私とは対話することすら出来ません。

 私は若い頃は世間の目が気になったという事もありますが、「苦しい」「辛い」という言葉を吐き出すことに40年以上かかっています。辛いと言ったところで「どうせ世間は親の肩を持つだろう」ということも予想が付きました。それが余計に生きづらさ、孤独な感情に拍車をかけました。

 周りにもし家庭環境で悩んでいるように見える子供がいたら、まずは吐き出させることが大事。泣き出すくらいでちょうど良いです。多分アドバイスは要りません。それを受け取るだけの余裕がないケースが多いです。親の愚痴でもなんでもいいです、聞いてあげるだけでいいです。私が子供や大人の時に出来なかったことです。


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